
親と子をむすぶ
7つの生活習慣。

ここに挙げる7つのキーワードは、
現代の日本の子どもたちが抱える問題と深く関連した
生活習慣について取り上げたものです。
子どもたちが一日一日をのびのびと過ごすために
日常の生活を通して
大人が子どもの支えとなることが必要です。
1.睡眠時間は十分足りていますか?
脳や神経が急速に発達する過程にいる子どもたちは
たくさんの眠りを必要とします。
3〜5歳の幼児期であれば、
10時間の睡眠が必要と言われています。
しかし、最近では大人の生活リズムに巻き込まれるように
夜更かしになり、朝気持ちよく目覚めることができない
子どもたちが増えています。
そのような生活を送る子どもたちは、
体や脳の休息や成長ホルモンの分泌が不十分になり、
昼間みんなと一緒に楽しく遊ぶ意欲まで低下してしまいます。
安定した生活リズムの中で、朝は気持ち良く目覚め
夜は暗くて落ち着いた部屋で明日への期待とともに
眠りに就くことができるよう
大人が習慣づけることが大切です。
2.指示、命令が日常の中に非常に多くありませんか?
子どもたちに話しかける時のことを思い浮かべてください。
「〜しなさい」「だめ!」といった言葉を
たくさん使ってはいませんか?
では、子どもたちにどんな人になってほしいでしょうか。
指示を待つのではなく自分から意欲的に行動できる人、
自分なりの考えを持った人に育ってほしいと思いませんか?
子どもの行動の先回りをして口を出したり、禁じたり
子どもの失敗に対してあからさまに不快な表情を見せるのでは
全くの不親切です。
大人が「こんな人になってほしい」という気持ちを伝え
行動によって「正しいモデル」を示し、
根気強く丁寧に繰り返し教える必要があるのです。
3.生活全体において、叫ぶことが多くありませんか?
現代の子どもたちはテレビなど
たくさんの音が溢れた騒がしい環境に慣れ、
怒る時にも泣く時にも、嬉しい時さえも
叫び声が出てしまうことが多いように思われます。
人の声も機械の音もごちゃまぜになった騒がしい環境の中では、
「聞く力」が十分に育っていかない恐れもあります。
子どもたちにとって一番のよりどころである家庭の、
日常の生活の中で、
信頼する大人のあたたかな話し声で子どもたちを包み込む
そんな時間を大切にしたいものですね。
4.規則正しい生活をしていますか?
現代、子どもに対して規則正しい生活をし、
心も体も大きくなってほしいという願いを持ちつつも、
どうしても大人の都合に子どもを合わせてしまい、
子どもの生活リズムが不規則になってしまいがちという
家庭が多いのではないでしょうか。
生活リズムが不規則になれば体内リズムが安定せず、
朝からぼーっとしてやる気が出なかったり
肥満の傾向が出てきたりしてしまいます。
一日の生活リズムには、5つの定点
①朝食の時間②昼食の時間③夕食の時間
④寝る時間⑤起きる時間 があります。
この5つの定点を急がず、ゆっくりと方向づけていきましょう。
そうすることで健康になり表情も生き生きとし、
毎日元気に活動できるようになります。
5.テレビに対して正しいルールができていますか?
生活の中にテレビが深く関わっている今、
テレビとの付き合い方・ルールを
子どもたちにきちんと学ばせることが
必要なのではないでしょうか。
テレビとの付き合い方を間違うと、
音や光など強い刺激が成長途中の子どもたちの
目や耳を傷める可能性があります。
テレビとの上手な付き合い方は
将来、自分で自分の時間を管理して
自立した生活を送る力の育ちにもつながります。
大人もついテレビをつけっぱなしにしてBGM代わりにしたり、
「テレビを見せれば子どもがおとなしくなる」と
安易にテレビに子守りをさせて、テレビに依存した生活を
送ってはいないでしょうか。
時にはテレビを消して、子どもと語り合う時間を持ったり、
一緒に見ているテレビについて会話をするのも、悪くない。
そう思える心の余裕を持ちたいですね。
6.あいさつをはじめとする、自然な親と子の対話がありますか?
子どもたちは大人の姿を通して、身近な大人との関わりの中で
人との関わり方を学び、
人と一緒に過ごす喜びを感じ取ります。
その初めの一歩が、家庭での「挨拶」ではないでしょうか。
挨拶はただ言えばいいというものではなく、
あたたかな雰囲気の中で見つめ合い、
相手への思いが込められた言葉が音になって届き、
それに対する言葉が返ってくる、
相互に関わり合うコミュニケーションなのです。
そんなに忙しくても、たとえ一日のわずかな時間でも、
何かをしながらではなく、
互いの話にゆっくり耳を傾ける時間を作ってください。
7.生活の中に、良いこと、楽しいことの繰り返しがありますか?
私たちが生活している社会には、
嫌なこと、悲しいこと、
悔しい思いをすること、途方にくれること
望みをすべて失いそうになるくらいつらいこともあります。
そんな社会の中で生きてゆく力の源は、
子どもの時に心の中に蓄えた
良いこと、楽しいこと、嬉しいこと、
自分は人に大切にされているという感覚なのです。
たとえ今日は喧嘩をしたり、怒られたり、
悲しいことがあったとしても、
明日はきっと楽しいことが待っている。
そんな気持ちで子ども時代を過ごせるように、
幼稚園でも家庭でも、
子どもたちに「良いこと・楽しいことが繰り返しある」という
保障をしてあげたいものですね。