1.
表現する遊び
描くこと、つくること、歌うこと、ダンスなどの身体表現、
いろいろな表現活動を組み合わせた劇遊びなどを楽しみます。
自分なりの思いやイメージを持ち、
いろいろな素材に働きかけて形を作ったり、
見立てたり、自分の体を使ったりして、
表現の楽しさや面白さを味わっています。
大人がこうあってほしいと考える「子どもらしさ」ではなく、
子どもたちが「こう思う」「こうしたい」と素直に表現したものを
しっかり認められる大人でありたいと思います。
表現する遊びはもちろん一人でも楽しいですが、
先生や友達と一緒にすることで、
人に自分の表現を受け止めてもらったり、
何かを伝えられる喜びを味わうことができるのです。
2.
つくる遊び
積み木遊び、パズル、砂遊びなど、
形をつくることや崩すことを繰り返しながら遊んでいます。
イメージを膨らませてつくる喜び、完成させる達成感や充実感を
繰り返し味わいます。
出来上がった喜びを感じて満足すると、
子どもたちは完成までにかけた時間や労力に構わず
作品を崩し、またつくり、繰り返し何度も楽しみます。
壊すことや潔く忘れ去ること、
同じことを何度も繰り返して楽しむなど、
大人にはむしろ真似できない心の動きがそこにはあります。
思い切り汚すこと、時間を気にせずに
満足いくまで、納得できるまでつくること、
試行錯誤を繰り返してやっと何かができた喜びを味わうことも、
つくる遊びや表現する遊びの中で経験してほしいものです。
特にパズル遊びは、形の認識や部分と全体との把握をしながら
子どもの思考・操作を助けることができる
代表的な遊びの1つです。
鞠生幼稚園では、デザイン性、機能性に優れた
ジョージ・ラック氏のパズルを取り入れ、
子どもたちの興味関心や挑戦意欲に合わせて選べるよう、
遊びのコーナーに用意しています。
パズルを完成させる、崩す、またつくるという
遊びの繰り返しを通して、自分で考え自分でできる喜びや
少し難しいことにチャレンジする喜び、知的好奇心を触発され、
気付き、知る喜びを味わいます。
3.
ごっこ遊びと
お人形との生活
ごっこ遊びとお人形の生活
ままごと遊びやお店屋さんごっこなどのごっこ遊び、
お人形の世話遊びなどを通し、身近な大人の真似をしたり、
自分の体験を再現したりしながら遊んでいます。
各クラスでは、お人形が子どもたちと生活を共にしています。
1年間を通して、自分の感情を投影したり、
自分より小さい妹や弟のように感じたりしながら、
遊びの仲間、友達の一人として一緒にクラスの中で過ごします。
鞠生幼稚園では、
クラスの中にままごとコーナーやお人形のコーナーを用意し、
年間を通してごっこ遊びを楽しみます。
子どもたちの関心の高まりに合わせ、
お店屋さん・病院などのごっこ遊びも始まります。
お母さんが自分のためにしてくれることを思い浮かべながら
ままごと遊びをしたり、買い物などの体験をもとに
お店の人とお客さんとのやり取りを友達と楽しんだりしています。
子どもたちはごっこ遊びの中で、
家庭や社会で人と関わり合う生活の体験を再現しているのです。
また、普段世話される立場であることが多い子どもたちは、
小さい友達やお人形に対して何かを“してあげること”に
大きな喜びを感じます。
お人形の世話をするという子育ての疑似体験を通して、
小さき者への思いやりや可愛いと思う気持ちを育て、
豊かな心をはぐくみます。
4.
絵本のある生活
日々の遊びや生活の中に、
大好きな先生に絵本を読み聞かせてもらう時間があります。
子どもたちのために考え抜かれた絵本の絵や言葉、
大好きな先生の声を通して、お話の世界を楽しんでいます。
絵本の感動が、表現する遊びやごっこ遊びなど
他の遊びにも発展していきます。
絵本を通して、
「見る力」「聞く力」
「言葉からイメージする力」「集中力」などが育ち、
新しい言葉を獲得することで自分の思いを表現する
「話す力」の育ちにもつながっています。
鞠生幼稚園ではあえて
身近な大人の肉声による絵本の読み聞かせを重視し、
家庭でも読み聞かせの時間を
作っていただくことをお願いしています。
子どもたちは絵本を通して、
自分の体験をストーリーに重ねて追体験したり、
未知の世界・新しい知識に触れたりしながら、
さまざまな感動や感情を深く味わう心のドラマが広がっていきます。
5.
戸外での遊び
幼稚園の園庭で、体を動かして遊ぶこと、
砂や土、水を使って遊ぶこと、
植物や虫など身近な自然に触れながら遊ぶことを楽しみます。
体を動かして遊ぶ心地よさ、難しいと思うことに挑戦する面白さ、
できなかったことができるようになる喜びや
自信などを味わいながら、友達と関わり合って遊びます。
また、園庭、園周辺の環境と関わり、自然物に触れながら
五感を通して楽しむことも大切にしています。
子ども同士のスキンシップや
集団で群れて遊ぶ経験が少なくなっている今、
幼稚園で人と関わり合う遊びの機会を
意識的に作ることが重要になっています。
運動遊びを通して、気持ちの良い疲労感を味わうこと、
失敗しても気持ちを切り替えて行動すること、
自分なりに目標を持って挑戦したり粘り強く取り組むことなども
経験してほしいと願っています。
汚れや小さなけが、疲れなど気にせずに、
触覚や聴覚、嗅覚などを通して、
自然物を心地よいものとして
感じ取ることができる感性を育てていきたいものです。